最新の評価法


画像診断により病態を把握した上で、最善の治療法を提案します。 

リンパ浮腫は、早期診断と治療が難しい病気です。
最新のリンパ浮腫診断法であるICGリンパ管造影や超音波エコー装置を用いた無侵襲リンパ管評価、
MRリンパ管造影法によりリンパ機能障害を判定します。

リンパシンチグラフィ検査

全身および深部のリンパ管走行や、残存するリンパ機能が解析できます。インドシアニングリーンリンパ管造影法との併用で、患者さんのリンパ浮腫状態を詳細に把握することが可能となり、病態に合わせた最善の治療法を提案することができるようになりました。経時的に撮影することで、リンパ機能の評価が的確に行えます。
リンパ節移植や脂肪吸引手術の効果見極めにも有効です。
 
ヨード造影剤アレルギーがある方でも本検査は実施可能です。

ICG(インドシアニングリーン)リンパ管造影法

表在のリンパ管走行描出や、残存するリンパ機能をリアルタイムで解析できるようになりました。
痛みや、張り感が主訴の早期リンパ浮腫も、的確に診断できるようになりました。
当院にて本検査を実施し、確定診断に加え、患者さんご自身にも状況を確認頂くことで、リンパ機能の現状を理解して頂きます。
尚、ヨード造影剤にアレルギーがある方には 本検査は実施できません。

上肢リンパ浮腫に関するICG(インドシアニングリーン)リンパ管蛍光造影検査

下肢リンパ浮腫に関するICG(インドシアニングリーン)リンパ管蛍光造影検査

 ( 参考文献 )
Mihara M et al. Indocyanine green (ICG) lymphography is superior to lymphoscintigraphy for diagnostic imaging of early lymphedema of the upper limbs. PLoS One. 2012;7(6):e38182.

MRリンパ管造影法

MRIを用いた胸管描出法

MRIを用いることで、3次元的にリンパ管の走行・異常部位を同定することができるようになりました。当院にて本検査を実施し、重症度を判断します。
また原因不明のリンパ浮腫の場合でも、胸管本体を描出することで原因究明が可能となってきました。尚、ヨード造影剤にアレルギーがある方には 本検査は実施できません。

( 参考文献 )
Hara H et al. Assessment of configuration of thoracic duct using magnetic resonance thoracic ductography in idiopathic lymphedema. Ann Plast Surg. 2012 Mar;68(3):300-2.

非接触型赤外線静脈描出装置(statveinTM)

手術の適応がある患者さんは、非接触型の赤外線装置を用いて皮下静脈の部位同定を行います。
この装置は無痛で侵襲が無く、的確に静脈の位置を確定することができます。
この装置の応用により、より小さな傷で手術が可能となってきました

 

( 参考文献 )
Mihara M et al. Scarless lymphatic venous anastomosis for latent and early-stage lymphoedema using indocyanine green lymphography and non-invasive instruments for visualising subcutaneous vein. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2012 Nov;65(11):1551-8. 

Mihara M et al. Upper-limb lymphedema treated aesthetically with lymphaticovenous anastomosis using indocyanine green lymphography and noncontact vein visualization. J Reconstr Microsurg. 2012 Jun;28(5):327- 32.

超音波検査(エラストグラフィ/硬度検査)

超音波装置の組織硬度測定 (組織弾性イメージング法) 技術を用いて、リンパ浮腫の部位別重症度評価を行います。
また、下腿浮腫の鑑別診断として、静脈還流障害や、深部静脈血栓症(DVT)があります。
当科では、専門医の診断の下、必要あれば、超音波検査にて鑑別診断を行います。静脈系疾患を有する場合は、専門医をご紹介致します。

 

( 参考文献 )
Mihara M et al. Regional diagnosis of lymphoedema and selection of sites for lymphaticovenular anastomosis using elastography. Clin Radiol. 2011 Aug;66(8):715-9.

超音波検査(無侵襲によるリンパ管硬化評価)

超音波エコー装置を用いることで、リンパ管の状態(リンパ管硬化)を無侵襲に診断できるようになりました。
この技術開発により、これまでリンパ管静脈吻合手術を10箇所で実施する治療効果と、3箇所で実施する治療効果が同じ程度となりました。手術に於いて術前に吻合に適する静脈と、集合リンパ管を同定することができます。具体的には創が1/3箇所,手術時間が1/3、体への侵襲が1/3となります。病態や患者さんの状態によって治療効果は異なるため、手術を受ける際には担当医にご確認下さい。これまで複数回の手術を実施していたリンパ管静脈吻合術ですが、本技術の開発により、より確実で、低侵襲な治療に進歩しております。我々は2016年から2017年に300時間ほどかけて、本技術を開発してきました。
我々のチームにてリンパ管静脈吻合術を受けられる全ての患者さんに対し、30分から60分ほどかけて本検査を術前に実施します。少しでも多くの医療者に本技術を普及し、多くの患者さん達の悩みが解決できればと考え、これからも積極的に論文発表・学会発表・研修会を開催していきます。

【本技術に関する学会発表】
リンパ管硬化の超音波エコー装置による診断に関して、日本脈管学会総会にて発表を予定しています。
世界で初めての発表となります。興味のある医療者の方々はぜひ参加してみて下さい。

形成外科専門医 三原誠

リンパ浮腫を

どげんかせんといかん!

  1. 医学的エビデンスをもとに、最善の診断・治療技術を提供します。
  2. あなたに合ったオーダーメイドのリンパ浮腫治療を実践します。
  3. 低侵襲の根治的治療を実践します。
  4. 患者さんや、ご家族の生涯をサポート致します。
  5. (子宮性)不妊症もどげんかせんといかん! ※子宮移植研究
  • JR東京総合病院(新宿駅 直結
  • モミの木診療所(代々木駅 徒歩2分)
  • ベテル南新宿診療所(新宿駅、JR東京総合病院より徒歩3分



共著/リンパ浮腫(よく分かる最新の医学)/主婦の友社